不貞行為は認めたものの枕営業であると主張してきた不貞相手から交渉で慰謝料の支払いを受けたケース

紛争の内容
配偶者が飲みに出た先で特定の人物と不貞関係を継続している、配偶者は不貞の事実を認めているため、不貞相手に対しても慰謝料請求を行いたいとのご相談でした。

不貞の事実自体に間違いはないようでしたので、交渉事件の代理人として受任しました。

交渉・調停・訴訟などの経過
不貞相手の住所を調査した上で不貞相手に対して慰謝料請求の通知を送付しました。

そうしたところ、不貞相手は代理人を立て、不貞行為は認めるが不貞行為は店に来てもらうための営業行為であるため少額の慰謝料しか支払わないとの回答をしてきました。

配偶者が不貞相手の勤務する飲食店に出入りしていることは確かでしたが、枕営業であるとの不貞相手の主張は言い訳でしかないと考えたため、引き続き、通常の慰謝料支払いを求めました。

本事例の結末
一時、裁判もやむなしというところまでいきましたが、不貞相手の側で裁判は避けたいという考えが強く100万円の慰謝料支払いを認めたため、その内容で和解が成立しました。

本事例に学ぶこと
不貞相手の職業によって不貞行為は事実であるが枕営業であるから慰謝料は支払わない、もしくは、少額の慰謝料しか支払わないという対応があり得ます。

枕営業であることを理由に慰謝料請求を排斥した裁判例があるためそのような主張につながるものと思いますが、その裁判例が一般化できるものかといえばそれには疑問があり、枕営業であるという主張をされた場合でも粘り強く交渉を続けることで解決できる場合があります。

弁護士 吉田 竜二