不倫をした元配偶者に対して慰謝料を請求し、交渉を始めてから約1か月半後に150万円が支払われた事例

紛争の内容
結婚3年で配偶者が不倫をしていることが発覚したという事例です。交際期間は1か月程度でしたが、離婚することとなり、離婚後に元配偶者に対して慰謝料請求をすることを依頼者の方が希望されましたので、依頼を受けました。

交渉・調停・訴訟などの経過
元配偶者に慰謝料を請求したいので折り返しの連絡が欲しいという手紙を送り、折り返しの電話を頂きました。
この電話において200万円を請求する旨をお伝えしました。200万円の支払いについて元配偶者は了承しましたが、分割にしてほしいといいますのでその条件を聞き、依頼者の方へ伝えましたが、依頼者の方はその条件では納得しませんでしたので、こちらから、保証人をつけてほしい等の条件を再度提案しました。
その後、元配偶者の方が、やはり長期の分割払いは精神的にきついので、早く支払いをしてしまって楽になりたいと話すようになりました。他方で、150万円に減額をしてほしいと述べました。200万円を長期の分割で支払てもらうよりは、一括で150万円を受け取った方が、支払いのリスクが低いので、依頼者の方へ元配偶者側の提案した条件を伝えました。

本事例の結末
依頼者の方が、150万円を一括で支払うという条件を了承して頂きましたので、この条件で和解をしました。
和解の当日に事務所へ150万円を持参して頂き、受け取りを確認した後に、和解の合意書に署名押印をしてもらいました。依頼を受けてから約1か月半での解決でした。

本事例に学ぶこと
元配偶者側の収入に不安があり、支払いが厳しいかもしれないという話は、依頼者の方からも聞いておりました。他方で元配偶者側の勤務先は把握しておりましたので、給与の差押さえの可能性を考えながら、元配偶者側から、家計の収支を聞き取り、無理のない支払い方法を計算してこちらから提案しましたところ、元配偶者側が、むしろ一括で支払った方が精神的に楽であるという考えに至るようになりました。このような本事例に学ぶことは、勤務先を知っていて給与からの回収可能性のある事案に関しては、回収をあきらめず、支払いが厳しいかもしれなくても、その人ができるだけの支払い方法を家計の収支などから具体的に計算し、提案をすることが大事であることを学びました。また、このような交渉態度が、相手にプレッシャーを与えて、むしろ一括で支払った方が楽であるという考えを引き出したのかもしれませんので、大事なことであると思いました。

弁護士 村本拓哉