紛争の内容
Aさんは、ある日、妻の不貞の事実を察知し、ショックを受けながらも、「感情的な対立で事態を泥沼化させたくない」、「法的な責任をしっかりと取らせたい」と考え、不貞相手への慰謝料請求を依頼されました。
交渉・調停・訴訟等の経過
不貞相手の名前・電話番号を知っていたものの住所までは把握してなかったため、当方は、携帯会社に対し請求相手に関する情報を開示するよう弁護士会照会手続を行いました。その結果、不貞相手の住所を割り出すことに成功しました。
その後、当方は、不貞相手に対し、内容証明郵便にて慰謝料請求の通知を送付したところ、不貞相手に就いた弁護士から「すでに時効成立しているため、慰謝料の支払い義務はない」との回答を受けました。
法律上、「不貞行為の事実及び加害者を知った時から3年間経過した」場合、不貞行為に基づく慰謝料請求権は時効により消滅してしまいます。
もっとも、当方は、Aさんが「加害者を知った時」はつい最近であるため、時効は完成していない旨反論しました。
本事例の結末
その後、粘り強い交渉の結果、不貞相手から慰謝料150万円支払う旨の示談書を取り交わすことができ、150万円を勝ち取ることができました。
本事例に学ぶこと
この事例から、同様の悩みを抱えている方への教訓として以下の2点が挙げられます。
- 「証拠」の重要性: 相手が「知らなかった」「やっていない」と嘘をつくケースは非常に多いです。感情的に問い詰める前に、まずは法的に有効な証拠を確保することが、有利な交渉の絶対条件となります。
- 早期着手のメリット: 時間が経つと証拠が隠滅されたり、相手の支払能力が低下したりする恐れがあります。違和感を覚えた段階で専門家に相談することが、早期解決への近道です。
弁護士 安田 伸一朗






